神よ、
あの手だ!
窓に!
窓に!
【H・P・ラブクラフト「ダゴン」より】

20世紀最大の怪奇小説作家ラヴクラフトの傑作「インスマウスを覆う影(以下インスマウスと表記します)」を映像化したホラー映画です。
原作をご存知の方は、改めて説明が要らないほど、この原作に登場する「深き者(Deep One)」は有名ですね。
その「深き者」どもが、崇め奉る神の名が「ダゴン」なのです。
監督は、スチュアート・ゴードン
彼は、過去数作のラヴクラフト作品を映画化した実績もあり、10年以上前から「インスマウス」の映画化を熱望していたらしいのですが、資金等の問題で実現せず、スペインでやっと折り合いが付いて、実現したそうです。
そのため、本作の舞台は原作の「インスマウス」ではなく、スペインの田舎町「インボッカ」となっています。(スペイン語で「ボッカ(boca)」は「口(マウス)」、「イン・マウス=インスマウス」という遊び心です)
しかし、この「インボッカ」の景観は、素晴らしいの一言です。

古びた石積みの家が密集して雑然と建ち並び、そこかしこに湿っぽい影のある様子は、正に「インスマウス」の雰囲気そのものです。
よくこんな町を見つけたなあと思います。
この町を舞台にできなかったとしたら、この映画の魅力は半減したことでしょう。

村人は極端なメイクをしていないのですが、それがかえって不気味な雰囲気を醸し出しています。
演出もセンスがよく、主人公に隠れては逃げ、逃げては隠れさせながら、「インボッカ」の異様な実体をひとつひとつ紹介していくのですが、真夜中で、しかも土砂降りの大雨の中、最高に視界が悪く、観客からよく映像が分からないのですが、これが、人気ホラーゲーム「サイレント・ヒル」の霧と同じような効果をもたらして、不気味な声を上げながら集団で主人公を探し回る村人のシルエットとの相乗効果で、まさに悪夢のような映像を完成させています。
ただ、お粗末なCGが浮いているのが残念です。
CG使用は、「ダゴン」の触手登場シーンなど、必要最低限ですので致命傷とはなっていませんが、「ダゴン」は、たとえ一瞬でも姿を見せない方が良かったのになぁ・・・と、原作が好きなファンとしては思ってしまいます。
しかし、しかし、これまで数あるラブクラフト原作映画の中でも、最高傑作であることに間違いありません!
原作のコンセプトにも、かなり忠実な物語となっています(スペインで良かったですね!ハリウッドだったら、絶対ここまでラヴクラフト的にできなかったでしょう(^▽^)b)。
私はヘナチョコでスプラッタ映画なども苦手。
でも、生きながら頭の皮をはがされたりするシーンはありますが、残虐シーンはそのくらい(^▽^;)ホラー映画ファンはもちろん、ラブクラフト・ファンには超オススメです。
なお主演者の一人、名優フランシスコ・ラバルは映画公開直前の2001年8月29日に亡くなっており、これが最後の出演作となりました。

映画「ダゴン:DAGON」のストーリー
恋人のバーバラやビジネス・パートナーたちと共にヨットに乗り、スペイン沿岸で優雅に休暇を楽しんでいた青年実業家のポール。
しかし、突然の嵐でヨットは座礁し怪我人が・・・
ポールは助けを求めて眼前の寂れた港町に上陸するが・・・デジャヴを感じるポール。
陰鬱とした怪しい町インボッカでポール達に迫る恐怖とは!?
そして逃げ込んだ屋敷には、ポールが悪夢の中で度々出会っていたこの世のモノとは思えない美女が・・・果たして彼女は何者なのか!?
映画「ダゴン:DAGON」のサイドストーリーと、ゲーム「バイオハザード4」との関係
(ちなみにネタバレ部分は、隠してありますので、ご用心下さい。)
ホラー映画は、お色気と切っても切れない関係ですが、本作も始まって10分もしない内からHなシーンが始まります。
しかも少女風・お姉さま風・熟女風とキッチリ三者三様登場する女優陣全員にセクシーな見せ場があります(#^▽^#)
本作のヒロイン、ポールの夢に現れた謎の美女「ウシア」は、この世のものとも思えないほど美しいです。
演じるマカレナ・ゴメス

しかも、ポールにキスを求める時の「プリーズ・・・プリーズ・・・・・・プリーズ」の囁きは!もう!
セクシーなんてレベルじゃないっ!
禁断の、いけない世界がっ!・・・だって、ウシアはポールの妹なのだからっ!!
・・・コホン
さて、本作と人気ホラーゲームシリーズの最新作「バイオハザード4」との関係ですが・・・って言うか、本作を観ていただければ、分かります!
恐らく、本作からヒントを得た部分が多いのではないでしょうか?
まったく瞬きせず、目を爛々とさせる、どうみても怪しい村人達。
ボロ雑巾みたいな衣装を着て足を引きずりながら歩く村人達。
道端に徘徊するボロボロのヨロヨロになった村人。

不気味に静まり返る古びた石積みの家が密集した町並み。
そこかしこに見え隠れする湿っぽい影。
過去に普通の生活があったということを思い起こさせる、あちこちにある生活の跡。
もともとは、平和な町だったのが、ある日訪れた旅人の持ち込んできた邪教を受け入れたことにより、呪われた一族に変ったこと。
ね?
そういう意味もあって「バイオハザード4」が更に楽しめました。

「バイオハザード4」で主役となるレオン・S・ケネディは、シリーズ第二段「バイオハザード2」からの続投ですが、その「バイオハザード2」も、映画「ゾンビ」や「エイリアン2」へのオマージュシーンが散りばめてありましたから、このシリーズは、ホラーやゾンビ好きのみならず、映画好きにも楽しめるシリーズとなっています。


ちなみに何年か前、これもラブクラフトのファンとして知られる俳優の佐野史郎氏が、「インスマウスを覆う影」を、原作と同じ題名で日本を舞台にドラマ化していました。
※当記事は拙ブログ過去記事を加筆訂正したものです。
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