2014年04月13日

植え育て実りを収穫するより略奪の方が効果的という考え方





略奪が一番簡単で

一番豊かな生活を約束することで

ヨーロッパ以上のところはなかったのだ。




日本では泥棒、強盗はバカがやる一番損な仕事になっている。




略奪はヨーロッパでは、

優秀な人間がやる企てであると考え、

日本とは全く逆の価値判断である。




イギリスの王家は先祖が海賊であったことを

誇らしげに宣伝しているほどだ











  【会田雄次「日本の風土と文化」より】








日本では古くから「一粒万倍」の言葉があるように、収穫量は神の恵みと感謝してきました。

ヨーロッパの農業は日本人には想像もつかないほど生産性が低く、冬の長い苛酷な風土では、生きるためには略奪によって補うより他に道がないと考えられていました。

乏しい食料をめぐる激しい争い、そして略奪を生存のための当然の権利と考える当時のヨーロッパ人の性向は、ここに由来しています。

ヨーロッパでは、耕しても大地から得られるものがあまりにも少ないので、その上でいかに生き残るかの「生存の文化」がベースになったのに対し、日本では、その大地の上で、いかにより豊かな生活を楽しむかの「生活文化」が中心となって生まれました。

生きる目的が「生存」にあるか、それとも「生活」にあるかでは、大変な違いとなります 。


生きる目的が「生存」にあるか、それとも「生活」にあるかで、どうして大変な違いになるのかというと・・・。





マズローの欲求五段階説というのをご存知でしょうか?



アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1908-1970)は欲求を五段階に分け、人はそれぞれ下位の欲求が満たされると、その上の欲求の充足を目指すという欲求段階説を唱えました。

下から順に、生理的欲求、安全の欲求、帰属の欲求、自我の欲求、自己実現の欲求という順になっています。



mazuro-.jpg



第一の段階、生理的欲求は、空気、水、食べ物、睡眠など、人が生きていく上で欠かせない基本的な欲求を指しています。




生理的欲求とあわせて、第二段階の安全・安心欲求は生命としての基本的な欲求の一つとなります。

生を脅かされないことの欲求で、たとえば、暴力などにより絶え間なく生存を脅かされていると、その危険をいかに回避し安全を確保するかに必死になり、それ以外のことが考えにくくなるわけです。




第三段階は、愛情と所属の欲求です。

会社、家族、国家など、あるグループへ帰属していたいという欲求は、あくまで生存を脅かされない状態になって出てくるわけです。





愛情と所属の次に承認と尊重の欲求がくるのは、ごく自然のことのように思えます。

なんらかのグループへ帰属し、そのグループの中でかけがえのない存在と思われたい。

仕事の遂行や達成において自分の能力を活かして貢献し注目され、賞賛を受けたいという欲求だからです。





最後は自己実現の欲求。

これは、あるべき自分になりたいという欲求です。

たとえば、自分の描きたい絵画に打ち込む芸術家は、自己実現の欲求に突き動かされているといえます。

研究欲求、平和の追求、芸術鑑賞なども含まれます。

こういう風に書くと承認と尊重の欲求に非常に似ているように感じられるかもしれませんが、自己実現は他者からの評価も賞賛も必要としないところが決定的な違いとなります。

ある種の無償性が含まれているのが特徴なのです。





さて、この欲求五段階説は、最初の四段階(生理的欲求、安全安心の欲求、愛情と所属の欲求、承認と尊重の欲求)を欠乏欲求(Deficiency-needs)、最上位の自己実現欲求を存在欲求(Being-needs)と定義しています。




欠乏欲求というのは、満たされないものを求め埋めていく欲求となり、存在欲求は、よりよく生きるためにどう生きるかという欲求になります。

これが上記した『生きる目的が「生存」にあるか、それとも「生活」にあるかでは、大変な違い』になるということにつながっていきます。




ちょっと脱線しますが西洋では芸術家はパトロンを見付けることが芸術活動を続ける必須条件になっていたそうですが、日本では生活はできて当たり前だったので江戸時代以前から誰もが絵を描いたり詩を書いたり文学を残したりと、国民みんなが芸術活動にいそしめるほど文化度が高かったというのも、生きていくということが比較的楽だった環境によるものでしょう。





日本では戦前まで、町でも村でも一般大衆が日常鍵を持ち運ぶキーライフというものを知りませんでした。

欧米人はまず他人を疑い、関係はすべて契約で成り立ち、自己の所有物は鍵をかけないと安心できないといいます。

江戸〜明治になって日本を訪れた西洋人が、日本の農村を旅行して、夜、蚊帳を張って寝ている姿が外から見えても平気でいるのにビックリ仰天したそうですが、スキがあれば略奪、強盗が日常で、鍵社会で身を守る欧米人からみると、無防備で他人を疑わない日本人の生活は、とても異常に映ったことでしょう。



中世までのヨーロッパの農民たちは、略奪と防備に備え、武器を備えていました。

農民といえど戦う戦士でした。

狩猟生活は絶えず動物に罠や囮をしかけ、騙し捕え、おびきよせる技をみがかねばなりません。

遊牧も牧畜も絶えず動物を殺し、食し、血を見て暮らす生活でした。

数千年にわたる厳しい環境の下で、動物に憐れみなどかけていては生活が成り立ちませんでした。

そういう生活を何代にもわたって続ければ・・・ねえ。





また、ヨーロッパでは重要な人、偉い人のことをVIP(Very Important Person)と呼びます。

インポートとは輸入とか輸入品の意味に使われます、それがなぜ重要なのでしょうか。

産物の乏しいヨーロッパでは他国から自国に物資を持ってくる、獲ってくることは仲間が生きるために最も重要なことだったのです。



食糧やその他産物を自分たち集団のために持ち込むことは、その手段が略奪であろうと泥棒であろうと国益に適っているので問題ありませんでした。

最も効率が良いのは他国の貿易船、宝船を海賊行為で奪って横取りし、そっくり自国に持ち込むことでした。

これほど同族を喜ばせ、豊かにする英雄は他に居ませんでした。

英国王の先祖が海賊であることを誇りとする訳も、ここにあります。

子育てのために獲物を狩りしてくる感覚で、そこには何の罪悪感も悪の意識もありません。

コロンブスはアメリカ大陸を発見し、先住民から莫大な財宝を奪ってヨーロッパに持ち込みました。

だから白人にとって、彼は最も重大な英雄中の英雄(VIP)となるのです。

ところが物を盗られ、殺されたインディアン(ネイティブアメリカン)の立場からは、コロンブスは一億人の先住民を殺戮する動機を造った極悪の犯罪人、悪魔中の悪魔となります。

その後のヨーロッパの繁栄が、歴史から抹殺されてしまったこの一億人の悲惨と怨念の犠牲の上に成り立っていることは無視してはいけない歴史的事実でしょう。




世界の日本人ジョーク集 [ 早坂隆 ]

価格:821円
(2014/4/13 18:52時点)
感想(174件)



日本人なら知っておきたい日本文学 [ 蛇蔵 ]

価格:972円
(2014/4/13 18:52時点)
感想(121件)


日本人はなぜ日本のことを知らないのか [ 竹田恒泰 ]

価格:778円
(2014/4/13 18:54時点)
感想(68件)


posted by 大塚陽一 at 18:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本スイッチ
過去記事でも、コメント大!大!大!歓迎です! あなたの一言が、私のモチベーションにつながります! コメントお待ちしておりま〜す(^▽^)/
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
いつも、ご来訪ありがとうございます! またのお越しを、お待ちしておりま〜す(^▽^)/ 拙ブログ内で使用している画像・映像キャプチャー等は、あくまで記事の内容や感想を文章のみでは正確に伝えにくく、そのままだとかえって不誠実だと感じた場合、それを補足したいという点と、拙記事を通して、映画や音楽、絵画などの芸術、書籍、歴史への啓蒙と文化の熟成及び芸術復興を奨励したいという拙ブログの考えにより、 映画・音楽・絵画などの芸術や書籍などの学術研究・ゲーム等娯楽に対する敬意の姿勢で使用しております。 よって著作権等は、全て各製作者・会社に帰属します。 画像・映像キャプチャー等の使用に関して表記の問題がある場合、又は削除依頼がある場合は迅速に応対させていただきますのでご連絡ください。 皆様のご理解とご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。