2014年06月08日

映画「推理作家ポー 最期の5日間」:The Raven





史上初の推理作家である


彼の若すぎる死は


その小説以上に謎に包まれている





死の直前、


彼に何が起こったのか?





それは、


ひとつの殺人事件からはじまった
















探偵推理(ミステリ)小説の父と呼ばれ、その影響を受けた作家は、ミステリ界のみならず、怪奇・ホラー、SF等の様々なジャンルに及ぶという、19世紀アメリカで実在した偉大なる作家にして詩人であるエドガー・アラン・ポーが主人公です。

冒頭の言葉の通り、彼の死は謎に包まれていて、様々な憶測を呼んでいました。

今回は、虚実取り混ぜながら、その謎に迫ろうとしたサスペンス・スリラー大作です。







主人公エドガー・アラン・ポーを演じるのは、「2012」や「コン・エアー」「ハイ・フィデリティ」「1408号室」などでお馴染みのジョン・キューザック。



ポーと共に猟奇殺人の捜査にあたる警視エメット・フィールズを演じるのは、「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」でアラミスを演じたルーク・エヴァンス。



監督は「V・フォー・ヴェンデッタ」のジェームズ・マクティーグ。

今気付きましたが、「V・フォー・ヴェンデッタ」は大好きな作品なのに、まだレビューを書いてませんでした。

近いうちに書きたいと思います(^^;)










映画「推理作家ポー 最期の5日間」のストーリー:「never more!(二度とない)」

1849年10月、アメリカ合衆国ボルティモア。

ある夜、密室で母娘が犠牲となる凄惨な猟奇殺人事件が発生する。

現場に駆けつけたエメット・フィールズ警視は、それが数年前に出版されたエドガー・アラン・ポーの推理小説「モルグ街の殺人」の模倣であることに気づく。

ほどなく第2の模倣殺人が起こり、フィールズはポーに捜査への協力を要請。

ところが今度は、ポーの恋人で地元名士の令嬢エミリーが、彼女の誕生日を祝う仮面舞踏会の会場から忽然とさらわれてしまう。

しかも犯人はポーに対し、一連の事件を小説にして新聞に掲載すれば、今後出てくる死体にエミリーの居場所のヒントを残してあげようと戦慄の挑戦状も用意していた。

為す術なく、犯人の要求に従い原稿を書くポーだったが・・・







超完全解読カテゴリに入れていますが、今回は、超完全解読というよりは、本来見たかった、本来あるべき「推理作家ポー 最期の5日間」への思いを下敷きにした観想などを書きたいと思います。

例のごとくネタバレありですので、未見の方やネタバレ嫌いな方は、本編御鑑賞後に↓へおいでください。

m(_ _)m









映画「推理作家ポー 最期の5日間」の超完全感想:「貧困(POOR)じゃない!ポー(POE)だ!」



さて、何から書けばいいのでしょうか・・・。




本来あるべき「推理作家ポー 最期の5日間」と↑で書きましたが・・・この映画は2012年に公開されましたが、実は私、2000年からこの作品がいつ公開されるのかと、今か今かと待ちわびていたのです。

・・・と、いうのも、この「推理作家ポー 最期の5日間」、元々はデビッド・リンチが映画「ストレイト・ストーリー」公開の頃に映画化権を取ったという情報を得ていたからなのです!

リンチの描くポーの謎・・・めちゃくちゃ期待しちゃうでしょう?

あ〜リンチ版の「推理作家ポー 最期の5日間」見たかった・・・はい、この件はまた後ほど触れたいと思います。




20121012poe.jpg


さて、本作品は、ポー作品へのオマージュが散りばめられているので、ポー作品のファンには堪えられないシーンがたくさんあります。



大塚はポーの代表的な作品、「アッシャー家」や「モルグ街の殺人」「黄金虫」「黒猫」などを読んだことがあったと思うのですが、なんせ25年ほど前の高校生の頃なので、思ったより覚えていませんでした。


しかし、まったくポー作品を知らなくても、いや、知らないからこそ楽しめると言った方がいいのかもしれません。


ポー作品へのオマージュが散りばめられているのに、なぜ知らない方がいいのかというと、製作陣にポー作品への愛を感じないからです。


愛を感じないというのは、オマージュと言えば聞こえはいいですが、本作品には、ポー作品のトリックやセンセーショナルな設定だけを摘み食いしているような印象を持っています。


「モルグ街の殺人」「赤死病の仮面」、「早すぎた埋葬」、「マリー・ロジェの謎」、「ヴァルドマアル氏の病症の真相」、「アモンティリヤアドの酒樽」などなど、元ネタはたくさんあるのですが、特に「落とし穴の振り子」のあの装置を描きたかった気持ちは分かるのですが、あんなのを本当にこさえて犯行に及べば、絶対に足がつくのに、そこには触れずにストーリーは進みます。

最初の「モルグ街の殺人」の手口についても、暖炉に逆さ吊りにされた少女や母親の絞殺痕から犯人はかなりの大男(原作ではオランウータンだから)と特定されていたのに、実際の犯人は普通サイズの男でしたし(^^;)

都合のいい場面で都合のいい設定を意味なく持ち出して、結局原作を冒涜しているように感じてしまいます。





しかもしかも、ポーが死ぬまでの謎の5日間を虚実を混ぜて大胆に描くということでしたが、大胆すぎるフィクション振りに途中からついていけなくなってしまいました。

例えば・・・ポーをこき下ろした大学時代からのライバル、グリズウォルドが殺されるシーンもありますが、史実ではこのグリズウォルド、ポーの死後も生きのびていますが、ただ生きていただけでなく、彼の遺著管理人になったうえ、ポーの人格を貶めるような回想録を記し、これをポーの作品集にもポーをアルコールと麻薬に溺れた下劣な人間として収録するという徹底したこき下ろし振りで、ポーの生涯や人物、作品を語る上で欠かせない人物です。

そういう人物を簡単に殺してしまって、フィクションですも何もないだろうと突っ込みたくなってしまいます。



いくら虚実を混ぜたと言っても、一般的にちょっとググれば分かる範囲のことでも簡単に史実と違う内容を描いてしまう安易さ。



ポーの5日間の内容にしてもそうです。

犯人とのやりとりでポーは新聞に連載を始めますが、その展開と実際に起こる殺人事件のリンクに、街の人々はポーの所為で惨い連続殺人が起こっていると考え、ポーの家に放火までしてしまいます。

しかし、実際にはこういう殺人事件も、犯人とやり取りする物語を連載した新聞も発行されていません。



「もともとフィクションなんだから、その位のこと多めに見ろよ」という御意見もあるとは思いますが、仮にも実際に存在した実在の人物の死の謎をテーマに描くのであれば、最低限守って欲しいラインと言うのがあると思うのです。



誤解を恐れずにいうならば・・・たとえば、有名なケネディ大統領暗殺を描いた「JFK」という映画があります。

あの映画で犯人グループが実在しない人物だったり、黒幕に宇宙人が居たり・・・なんていうのだったとしても、それは許容範囲内のフィクションだと大塚は思うのです。

劇中にリアリティがあれば。



しかし、例えば暗殺犯と言われているオズワルドの当日の行動を劇中の犯人像に都合がいいように変更して描いたり、実際にはなかった証言を、さも公式なオズワルドの肉声による証言のように描いたりしたら、それは史実をベースにフィクションを描くとはいえ、越えてはならないフィクションのラインを越えてしまうことになると思うのです。




因みに、史実で伝わっているポーの死の様子はウィキペディアによると・・・




1849年10月3日、ポーはライアン区第4投票所にあたる「グース・サージャンツ酒場」にて異常な泥酔状態に陥っているところを旧知の文学者にたまたま発見され、ただちにワシントン・カレッジ病院に担ぎ込まれたが、4日間の危篤状態が続いたのち、1849年10月7日早朝5時に帰らぬ人となった。

その間ポーは理路整然とした会話ができる状態でなく、なぜそのような場所で、そのような状態に陥っていたのかは誰にもわからないままとなった。

その上奇妙なことに、ポーは発見されたとき他人の服を着せられており、また死の前夜には「レイノルズ」という名を繰り返し呼んでいたが、それが誰を指しているのかも分からなかった。

一説にはポーの最後の言葉は「主よ、私の哀れな魂を救いたまえ」("Lord help my poor soul")であったという。

死亡証明書を含め、ポーの診断書は現在ではすべて紛失してしまっている。

新聞各紙はポーの死を「脳溢血」や「脳炎」のためと報道したが、これは当時、アルコールなどのような外聞の悪い死因を婉曲に伝えるためにしばしば用いられた言葉でもあった。

ポーの死の真相は謎のままであるが、1872年の早い時期から、ポーはクーピング(cooping, 選挙の立候補者に雇われたならず者が、旅行者や乞食などに無理矢理酒を飲ませるなどした上で投票所に連れて行き、場合によっては数度投票させること。当時は有権者の身元確認がしっかりと行なわれていなかった)の犠牲になったのだとする説が広く信じられている。

それ以外にも、アルコール中毒による振戦譫妄、心臓病、てんかん、梅毒、髄膜炎、コレラ、狂犬病などが死因として推測されている。



・・・ということでした。



劇中、ポーは「レイノルズ(犯人の名前)」とは口に出していましたが、他人の服に着替えるシーンはありませんでした。






と、いうことで、以上の内容から私はイマイチ乗ることが出来ないままに鑑賞を終えました。


ね。


ポー作品のことも、死の情景も知らない方が楽しめるのではないでしょうか?






最期に・・・やっぱりリンチ版が見たかった(^^;)


劇中でポーは、犯人に言われるまま新聞に推理した内容を新作として発表しますが、その時「自分が犯人になったような気分だ」と漏らします。


また、この作品の現代は、「The Raven(大鴉)」というポーの有名な詩のタイトルがつけられているのですが、ポー自身も当時「The Raven(大鴉)」と呼ばれていたそうです。



きっとリンチ版が適っていれば、段々どこからどこまでが実際に起こっていることで、どこからどこまでがポーの妄想なのか段々分からなくなって、ポーが探偵役なのか、それとも真犯人なのか?といったリンチワールドを展開した名作が出来たのではないかと、夢想せずにはいられません。




ぜひ、今からでもリンチ監督でリメイク希望です!

タイトルは「推理作家ポオ 最期の5日間」で、ぜひ(^▽^)






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posted by 大塚陽一 at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) |   ・超完全解読スイッチ
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