2015年08月25日

007/ドクター・ノオ Dr.NO (007は殺しの番号)







“00(ダブルオー)”は殺しの許可証だ。




殺されては意味がない。














記念すべき007シリーズの1作目です。

1962年の作品で、しかも第1作目という事で、ストーリーや演出など、歴代の作品に比べて見劣りするのではと思いきや、なんの!なんの!無駄な贅肉が無い分、むしろ中だるみを感じる一部のシリーズ作品に比べ、見応えある充分満足できる007らしい作品でした。







初公開時は、「007は殺しの番号」と言うタイトルだっただけあって、歴代の作品より殺し屋的な雰囲気が強く、ワルサーPPKに、ドでかいサイレンサーを装着して殺しを行うシーン(「007/カジノ・ロワイヤル」の冒頭シーンは、このシーンへのオマージュ)は、スパイの非情な世界を見せてくれます。


今では恒例となっている秘密兵器も、まったく登場せず、現実的でプロ意識の強いボンドを見ることができます。


ドアに髪の毛を貼り付けたり、アタッシュケースの鍵に粉をかけたり、川の中で息ができるように葦を切って使ったり・・・大きなお友達が、小さな頃に真似していたようなシーンばかり出てきます。


ちなみに「007/ドクター・ノオ」は、四代目ボンド役ティモシー・ダルトンが、一番好きだと推していた作品でもあります。

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とにかく、ショーン・コネリーがかっこいいです!!


強烈な存在感に、艶っぽい目付き、アクのある顔、冷酷でも魅力的なコネリー・ボンドは、今でも多数の支持者を保っています。

実際、初代ジェームス・ボンドが、コネリーでなければ、きっとシリーズ化はなかったでしょう。

殺しのライセンスを容赦なく行使し、何人もの女性とベッドを共にする。

一流紳士服店のオーダーメイドのスーツを着こなし、ステアではなくシェイクした特別製のマティーニを飲む。

実際、当時のヒーロー像としては、かなり斬新なキャラクターでしたが、それを納得させるだけの力業的な強烈個性をコネリーが、持っていたからこそ観客に受け入れられたのだと思います。


ショーン・コネリーは、当時無名の俳優で、この作品のスクリーンテストで怒りを露にして断ったらしいのですが、その感情の激しさが気に入られて、ボンド役を掴んだと言われていますが、真相はボディビルで鍛えられたコネリー全裸写真を見てブロッコリ夫人が推したからだそうです。

この辺は、ダニエル・クレイグのあの身体を見て一発で気に入ったバーバラさんのそれとそっくり同じなエピソードで血は争えませんなと・・・

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貧しい環境で育ったコネリーは、スコットランドなまりが抜けず、ボンドのライフスタイルにもなかなか同化できなかったため、監督であるテレンス・ヤングは、高級なスーツを身につけ、ワイシャツもネクタイも着けたまま寝るように指示したそうです。



今では、アクション映画の定番とも言える手法ですが、暴力的なシーンの後に、必ずボンドが皮肉とユーモアに満ちたセリフをもらす手法は、当時ではとても斬新なものでした。

 敵役のドクター・ノオは、鉄製の義手が印象的で、この役を演じたジョセフ・ワイズマンは、その義手に慣れるために、病院で数日間を過ごしたそうです。

彼もこの後に続く悪役同様、自分に大きな自信を持っており、ボンドを捕らえてもすぐには殺さず、余裕しゃくしゃくで夕食に招き、自らの計画と天才ぶりの自慢を始めます。





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「東側のためか?」

「東?西?方位磁石の話でもしているのかね?ミスター・ボンド。どちらも愚鈍極まりない者どもだよ。私の組織はスペクターだ」

「スペクター?聞いたことがないな。頭のおかしな連中には詳しいはずなんだが」

「スペクターとは、対諜報活動・テロ・復讐・搾取を目的とする特別執行機関(SPecial Executive for Counter-Intelligence, Terrorism, Revenge, and Extortion)で、頭文字をとってスペクター(SPECTRE)だ。世界の頭脳が集結し、権力を操っている。」

「楽しそうなお仲間だな。いささか芝居じみてはいるが・・・ここがスペクターとやらの本部とすればだがね」

「本部?冗談は止めたまえ、ミスター・ボンド。それとも私を怒らせたいのかな?ここは本部などではない。ここはスペクターのほんの爪の先にも足りないものだ。取るに足らないロケットの軌道を、少々変えてやることが我々の唯一最大の大仕事だとでも思うわけかな?」

「また大きく出たな。一体何が目的だというんだ」

「究極のコントロール・・・完璧な・・・すべてを掌握する・・・世界を、いや、もっと大きなものを完全に掌握することだ」

「わかったよ、博士。先ほどは『頭のおかしな連中』という言葉を使ってしまった。失礼な言い方をしてすまない。正確に言うと、お前たちは『パラノイア』というんだ。誇大妄想狂ということだ」






このボンドと敵のトーク(皮肉たっぷりの)を交えた晩餐会はシリーズを通しての定番となります。

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また、今作ではドクター・ノオが属する組織「スペクター」の全貌には触れられてませんでしたが、次作の「007/ロシアより愛をこめて」、「007/サンダーボール作戦」、「007は二度死ぬ」、「女王陛下の007」、「007/ダイヤモンドは永遠に」と、計6作品シリーズ全盛期を通しての宿敵といえる存在となります。

英国諜報部と「スペクター」の因縁の争いは、実はこの第一作目「007/ドクター・ノオ」から始まっていたんですね〜!



記念すべき初代ボンドガール・アーシュラ・アンドレス登場シーンのゴージャスさは、第20作目「007/ダイ・アナザー・デイ」、007シリーズのパロディ映画「オースティン・パワーズ」でもリバイバルされる程印象的なシーンでした。

ちなみにアーシュラは、パロディ映画の方の「007/カジノ・ロワイヤル」にヴェスパー・リンド役で出演しています。





そして、火を噴く戦車、孤島に建てられた原子力施設内での壮大なアクションなど、見所も満載、後半の舞台になるエキゾチックなカリブでの名場面も最高でした。



ぜひ一度観て下さい!最近のCG全盛の作品に慣れた人なら特にカルチャーショックぐらいハマっちゃうかも知れませんよ!










「007/ドクター・ノオ」のストーリー:
我々はスペクターだ。スペクター(SPECTRE)とは、対諜報活動・テロ・復讐・搾取を目的とする特別執行機関(SPecial Executive for Counter-Intelligence, Terrorism, Revenge, and Extortion)で、世界の頭脳が集結し、権力を操っている。



アメリカの要請で、月面ロケット発射を妨害する不正電波を防ぐ工作をしていたジャマイカ駐在の英国諜報部員ストラングウェイズが消息を絶つ。

英国情報部「MI−7」に所属する007こと、ジェームズ・ボンドはMから、その捜査を命じられる。

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CIAのフィリックス・ライターや、クォレルらと協力し、ボンドは、リモートコントロールによってジャイロスコープコントロールを狂わせる装置が使用され、その発信地がジャマイカ付近である事を突き止める。

アメリカの月面ロケット打ち上げを目前に控え、ボンドはその妨害者の発見と、危機回避のため、近付く者は一人として無事に帰った事のない「ドラゴン」の伝説がある「クラブ・キー」へと乗り込むのだが・・・









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感想(1件)






以下、多少のネタばれが含まれますので、ご注意下さい。



007/ドクター・ノオのサイドストーリー:
誘いたいよ。でも誘ったら軍法会議ものだ。君は政府の所有物だからね。

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映画の序盤で、銃をベレッタからワルサーPPKに変えさせられるシーンは必見。

ここから、かの有名な『ジェームス・ボンド=ワルサーPPK』という図式が始まりました。

しかし、これは原作のシーンをそのまま流用したシーンで、原作では本作品の前作にあたる「ロシアから愛をこめて」で、列車内での格闘時にベレッタがホルスターに引っかかってピンチになったことを受けてのものです。




冒頭のカジノのシーンに出てくる女性シルビア・トレンチは、次の「ロシアより愛をこめて」にも登場しますが、当初の予定では後々結ばれるということだったらしいです。

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映画のプロデューサー・アルバート・R・ブロッコリが、「ジェームズ・ボンド007」シリーズの映画化を、原作者イアン・フレミングに持ちかけた時、すでに映画化権は、ハリー・サルツマンが取得していました。

ブロッコリは、サルツマンと意気投合。

共同で映画製作に乗り出す事になりました。

しかし、原作の映画化に元々意欲的だったフレミングは、すでにシリーズ第一作目「カジノ・ロワイヤル」の映画化権を他社に売り渡していたため、サルツマンとブロッコリは、映画第一作目を何にするかで悩みました。

うわぁぁぁ〜っ!早く映画化しないと、先に「カジノ・ロワイヤル」を映画化されては、こちらが二番煎じになってしまう!



そこで、まず映画第一作目は、元々ある原作を元にするのではなく、映画化のために小説を書き上げてしまおうという事になりました。

そうして書き上げた作品が、「サンダーボール作戦」でした。





当然、「サンダーボール作戦」が、第一作目になる予定でしたが、法廷闘争(いずれ、「007/サンダーボール作戦」の時に詳細を説明します)が持ち上がり、また、予算面、技術面から言っても、製作は無理だという判断から、比較的ストーリーがシンプルで、しかもサスペンスに溢れるストーリー展開の「ドクター・ノオ」が、第一作に選ばれたという経緯があります。



この「007/ドクター・ノオ」の音楽について、後にほとんどのシリーズ音楽を担当する事になるジョン・バリーは、当時ユナイトから、モンティー・ノーマン作曲「ジェームス・ボンドのテーマ」を演奏してくれと依頼があったので、テープを聞いてみたら、これからシリーズとなっていく映画の主題曲してはあまりにも南国テイストこってりで、「これではダメだ」と思ったそうです。

これというのは、これね↓





そこで、バリーは、曲を自由に作曲し直してもいいのなら引き受けると回答したそうです。




これ、サントラを聴いてみると、分かります。

本当に南国テイストのみの楽曲の中で、「ジェームス・ボンドのテーマ」一曲だけ浮いていますから!

これじゃ、ボンドのテーマは、本当はジョン・バリーの作曲だ!と言われてもしょうがないですよ。



 この作品を観ると、他の作品に比べて、ほとんど音楽が無く、たまに「ジェームス・ボンドのテーマ」が流れるぐらいだということに気付かれると思います。

アクションシーンでも、全く音楽は無いので、逆に何かの効果をワザと狙ったのか?と不思議な印象を受けます。



最初はさすがに、サントラを買うかどうか、本当に迷いました。

しかし、あの印象的なボンドのテーマからのメドレーで三人の殺し屋が歩いてくるイメージの「KINGSTON CALYPSO」が、どうしても欲しくて、やっぱり購入しちゃいました^^;

あの三人の殺し屋の登場にピッタリでしたよ!








サントラ「007/ドクター・ノオ」モンティ・ノーマン

1. James Bond Theme (1:48)
2. Kingston Calypso (2:45)
3. Jamaican Rock (2:05)
4. Jump Up (2:13)
5. Audio Bongo (1:33)
6. Under the Mango Tree (2:25)
7. Twisting With James (3:12)
8. Jamaica Jazz (1:08)
9. Under the Mango Tree (2:46)
10. Jump Up (1:30)
11. Dr. No's Fantasy (1:43)
12. Kingston Calypso (2:31)
13. The Island Speaks (3:23)
14. Under the Mango Tree (2:44)
15. The Boy's Chase (1:34)
16. Dr. No's Theme (2:02)
17. James Bond Theme (2:24)
18. Love at Last (1:55)


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THE END

OF

“Dr.NO”

BUT

JAMES BOND WILL RETURN

IN

FROM RUSSIA WITH LOVE







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posted by 大塚陽一 at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007
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