2015年12月02日

007/ユア・アイズ・オンリー FOR YOUR EYES ONLY




これこそデタントだ。






そちらにも渡らず



こっちも無くした


















シリーズ第12弾。

ロジャー・ムーアの007は、無事地球に帰還しました。

「007/私が愛したスパイ」、「007/ムーンレイカー」と、二作品続けて、奇想天外な展開が続きましたが、本作からは漫画チックな傾向を反省したのか、ボンドの原点に戻ろうというコンセプトの元に、ハイテクに頼らず、生身の肉体を使ったアクションシーン満載で製作したのが本作です。

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「ユア・アイズ・オンリー」とは、原作では「読後焼却すべし」と訳されています。

よく機密文書などに書いてある「アイズ・オンリー」だったら、「閲覧のみ」可で記録をとってはいけないという意味になりますね、これが「ユア・アイズ・オンリー」だと、閲覧権限のある独りのみ閲覧可能という意味と、女性が恋人にのみささやく言葉とのダブルミーニングとしてボンドシリーズらしいタイトルですね。

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今回は、舞台がギリシャなだけに、綺麗な景色が多く、水中撮影シーンも美しく、見所は満載です。

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ヘリにぶら下がったり、入り組んだ迷路のような山道をポンコツ車で疾走したり、 雪山での派手なスキーとバイクアクション。

そして大絶壁のロッククライミングシーンで、ほとんど垂直に近い絶壁を登るボンドが、見張りに見つかり1本のロープで宙吊りになったりします。

そんな絶体絶命の危機的状況など、息つく暇もない過激なアクションが展開されます。

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ただ残念なのは、ボンド・カーのロータスが、本編開始早々自爆してしまい、代わりにボンドガールの所有するシトロエン2CVという小型車での逃走シーンがあるため、実質このポンコツ車が、本作のボンド・カー的扱いになります^^;

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今回は世界を相手に滅ぼそうとか脅迫をしようなんていうスケールのでかい悪の親玉は出て来ず、とても現実味のある(と言っても、007の世界内で。という意味ですが・・・)話になりました。

海に沈んだ機密を巡って、誰が味方で敵が誰か分からない的な雰囲気で、ギリシャの地下組織を題材にした小気味の良いアクション物となっていますが、これはシリーズで、ずっとアクション監督をしてきたジョン・グレン監督の意向でしょう。

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原作にこだわりをもつグレン監督は、「007/死ぬのは奴らだ」で映像化されなかった原作にあるクライマックス・シーンを(ボンドとソリテールがロープに縛られ、船でサメの海を引きずられるシーンをボンドとメリナで)実現させたり、自身の師とも言えるピーター・ハント監督の作品「女王陛下の007」への、オマージュとも言えるシーン(殺されたボンドの妻トレーシーの墓参り)で、オープニングを飾っています。

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以前のレビューで、触れた最後の希望こそが、このジョン・グレン監督です。

その件については、今後紹介していく作品群を語る上で、段々ご理解いただけてくると思います。




尚これまでシリーズを通して、ボンドの上司Mを演じてきたバーナード・リー氏が 、1981年に他界したため、本作はシリーズで唯一Mが登場しない作品となりました。

非常に残念です。

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「007/ユア・アイズ・オンリー」のストーリー:
私は半分ギリシャ人なの。
エレクトラの様に愛する者を殺した相手を許さない





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地中海アルバニア沖で調査中の漁船を装ったイギリスの電子監視船セント・ジョージ号が、何者かが仕掛けた機雷によって沈没した。


この船にはミサイルを自由に操って誘導できる装置、ATACが搭載されていた。

それを知ったソ連はさっそくギリシャの組織にATACを手に入れるように依頼する。


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一方ボンドは政府にかわって調査していたハブロック博士が殺されたことによってギリシャへ飛ぶ。


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ハブロック博士を殺した犯人ゴンザレスを追って、ボンドは、ゴンザレスの屋敷へ向かうが、ゴンザレスはハブロックの娘メリナに殺され、 メリナと共に山道を車で逃げることになってしまう。

ボンドは、ゴンザレスに金を渡した男を照会したところ、ギリシャ密輸団のロックと判明した。

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ギリシャの実力者クリスタトスと会ったボンドは、クリスタトスのかつての相棒コロンボの片腕が、ロックだという情報を得る。

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ボンドは、数々の妨害を受けながらも、コロンボの愛人リスル夫人に近づくが、彼女はロックに殺され、ボンドも、襲われるが、間一髪現れた別の男たちに救われ、虜になる。

男たちのリーダーはコロンボだった。

果たして、本当の敵は、コロンボなのか?

それとも別の?

ボンドは、無事にATACを回収することが出来るのか?


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「007/ユア・アイズ・オンリー」のサイドストーリー:
知らないの?これも筋トレになるのよ!




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オープニングで亡き妻の墓参りをするシーンで、ボンドが見せる内省的な表情が、非常に印象的です。


ロジャー・ムーア、いい!


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そして、「女王陛下の007」のエンディングを、本当の意味で終わらせるためとでも言うように、白い猫を抱いた、ブロフェルドっぽい人物が登場します。

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首にギブスをしているのは、「女王陛下の007」の直後と言う暗示でしょうか?(そうなると、「007/ダイヤモンドは永遠に」と、合わなくなってしまいますが・・・しかも、抱いている猫の首輪は「007/ダイヤモンドは永遠に」の時のダイヤの首輪に見える・・・う〜ん、パラレル・ワールド系?)


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ジョン・グレン監督。なかなかやりますな!


彼は、あっけなく煙突に落とされて終わります。


あれが、ブロフェルドだとは、信じたくありませんが・・・

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ボンドガールのメリナを演じるのは、フランス出身の美人女優キャロル・ブーケで、長い髪とクールな瞳が印象的です。

彼女は、シャネルの専属モデルとしても有名でしたね。

しかもソルボンヌ大学出身の才女でもあります。

クール・ビューティと称されていて、現在ではフランス映画界きっての女優になっているようです。

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リスル伯爵夫人を演じたカサンドラ・ハリスは、ピアース・ブロスナンの夫人だった方(故人・91年没)で、ブロスナンは当時撮影現場に遊びに来たことがあるそうです。

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カサンドラは、ブロッコリにブロスナンを紹介して、「次のボンド役にどうか?」と訊いたそうですが、この時、その場に居合わせた全員が、ボンドを演じるブロスナンを想像して、いずれ間違いなくブロスナンがボンドを演じることになると確信したという逸話があります。

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主題歌を歌うシーナ・イーストンは本編オープニングに登場しますが、主題歌を歌う歌手本人が出演するのは、初の試みです。

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作曲は、ジョン・バリーご推薦の、映画「ロッキー」「ベスト・キッド」「ライト・スタッフ」で御馴染みビル・コンティです。

大塚は、このサントラ、CDだけでなくLPレコードも持っています。

ちょっと香港アクションムービーっぽい曲が目立ちますが、ボーナス・トラックは名曲揃いです。

一度は、聴いてみて下さい!




1. For Your Eyes Only / Sheena Easton (3:07)
2. A Drive in the Country (2:25)
3. Take Me Home / Eddie Blair (2:32)
4. Melina's Revenge (2:18)
5. Gonzales Takes a Drive (3:14)
6. St. Cyril's Monastery (4:40)
7. Make It Last All Night / Rage (3:31)
8. Runaway (3:54)
9. Submarine (2:39)
10. For Your Eyes Only / Derek Watkins (1:35)
11. Cortina (1:45)
12. The P.M. Gets the Pird/For Your Eyes Only (Reprise) / Sheena Easton (5:05)

Bonus Tracks:
13. Gunbarrel/Flowers for Teresa/Sinking the St. Georges(2:54)
14. Unfinished Business/Bond Meets Kristatos(1:53)
15. Ski....Shoot....Jump.... (5:16)
16. Goodbye,Countess/No Head for Heights/Dining Alone(3:20)
17. Recovering the Atac(2:28)
18. Sub vs. Sub(3:16)
19. Run Them Down/The Climb(2:58)








THE END

OF

“FOR YOUR EYES ONLY”

BUT

JAMES BOND WILL RETURN

IN

“OCTOPUSSY”






posted by 大塚陽一 at 19:06 | Comment(0) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007
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