2016年05月03日

ボビー・ケネディ考〜その前口上




八年前、私は(兄であるジョンFケネディの)選挙参謀でした。



だから、皆さんが示してくださった努力と献身とが、

今日の大きな成果をもたらしてくれた意味をよく理解できるのです。



本当にありがとう・・・



次はシカゴです。



そこでも勝ちましょう。








こう演説を締めて、Vサインを示しながら、ボビーがアンバサダー・ホテルの演台を降りたのが、1968年6月5日0時13分でした。

それから部屋を出て、左へ曲がり祝賀会場へ行く予定でした。

しかし、予定されていた記者会見まで残された時間が残り僅かになっていたことから、予定を急遽変更し、直接記者団が控えている会見場へと向かう為、右へ曲がりました。

廊下のスロープを少し下って、そのまま真直ぐに調理室の方へ。

彼の通り道を開けるように左右両側に立っている支持者の人々と握手を交わしながら、ボビーはゆっくり進んで行きました。

ちょうどボビーが製氷機の並ぶ狭い通路に差し掛かり、そこにいた皿洗いのジュアン・ロメロと握手をするために左を向いた時、数発の銃声が鳴り響きました。



すべては、一瞬の出来事でした。

床に倒れたボビーの頭と右の脇の下から大量の血が流れていました。

そして、その約26時間後の6月6日1時44分にボビーは帰らぬ人となりました。




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私が、ジャックとボビーのケネディ兄弟に興味を持ったきっかけは、やはりジャックの暗殺事件の謎からでしたが、調べれば調べるほど、ジャックと、とりわけボビーの人間性や、やり遂げたいと願った理想に惹かれていきました。

私の知る限り、人の価値や国の価値を経済や物質の豊かさだけで測ることの愚かさをはじめて言動に乗せた政治家だと思います。

そういう目に見えるもの、手に取れるものだけでなく、目に見えないもの、決して数値化できないものにこそ、人間やコミュニティの価値や幸福というものがあるのではないかと問いかける演説をした3ヵ月後に彼は亡くなりました。

その生き様や人生に迫りたくて「ボビー・ケネディ考」というカテゴリを設けました。






もちろん、俗に言うJFK暗殺事件自体の謎に迫るのも、私のライフワークですが、ジャックとボビーの生き様を出来るだけ分かりやすく紹介し、その成そうとしていた世界が、いかに現代の世界に必要とされるような理想的な世界であったのかに迫れたら・・・と思っております。



さて、冒頭でボビーことロバート・フランシス・ケネディ(RFK)が暗殺された状況を簡単に書きましたが、ボビー暗殺犯と目される犯人は、JFK暗殺実行犯オズワルドが起訴前に射殺されたのと対照的に、しっかり逮捕され、動機も語られ、未だ尚刑務所に服役中であるので、ボビーの暗殺事件自体には謎がないように思われていますが、実は色々と陰謀を匂わせるような謎があります。



先に述べたように、私はジャックとボビーの生き方や、望んだものをこの項目で描きたいのですが、「死に様を見ると生き様が分かる」という言葉を信じて、まずボビー暗殺事件の謎に触れるところから、ボビー・ケネディ考を始めて行きたいと思います。







ボビーを暗殺した犯人として逮捕された24歳のパレスチナ移民サーハン・ベシャラ・サーハンは終身刑を言い渡され、2016年現在も刑務所で服役中です。


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複数の目撃証言によると、サーハンは調理室の中を移動するボビーの前方約1〜2メートル辺りに現れ、8発入り22口径のリボルバーピストルを発砲、ボビーの前に立って先導していたホテルの副支配人カール・ウェッカーと、複数の人間に組み付かれて、取っ組み合いの最中にも発砲を繰り返し、装填した8発全部撃ち尽くして、ボビー以外にも5名を負傷させました。




つまり、サーハンがボビーの前、つまり進行方向から撃ったことは明白なのですが、検視報告書によるとボビーの致命傷は、硝煙反応から判断して僅か10センチほどの至近距離から撃たれた右耳の後ろ下部の傷で、そこから入った弾頭は脳内で炸裂していました。

ボビーは計3発撃たれていましたが、他の2発は右腋下の裏から入り、1発は腰で留まり、もう1発は首の裏で止まっていました。

さて、検視報告に記載されているボビーの3つの傷はすべて「後ろから前」となっていました。

ここで、前方から発砲したサーハン以外の第二の射撃犯の存在が浮かび上がってくるのですが、ここで警察側の判断は、上記のロメロと握手をするため、ちょうど左を向いていた為、ボビーの右半身は前方を向いていたはずで、前方から発砲したサーハンの弾丸が作った傷が右耳の後ろにあっても、おかしくないというものでした。

おかしいと思うのは私だけでしょうか?




また、第二の銃撃犯がボビーの背後(10センチ以内の近距離)にいたとして、その人物の特定は出来ないものか?と思いませんか?

実は、背後にいた人物は身元が分かっています。

その人物の名は、セイン・ユージン・セザー。

当日警備会社から偶然(?)アンバサダーホテルの警備に派遣された警備員でした。

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ここで、冒頭の画像をもう一度良く見て欲しいのですが、倒れているボビーの右手の先に何か濃い色の布の様なものが落ちているのが見えませんか?

これがセザーの着けていたネクタイで、暗殺直後のセザーの写真からも、彼の制服からネクタイが無くなっているのが見て取れます。

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右側がセザー



真後ろに立っていたセザーのネクタイを握って抜き取ったのは、セザーこそがヒットマンであるというボビーの意思表示ではないか?という研究者が多くいます。

そもそもネクタイってそんな簡単に外せるの?とお思いかもしれませんが、ネクタイをしたことがある主に男性諸君は分かると思いますが、下の亀梨君の画像のように結び目に指を入れて下に引けば、案外簡単にネクタイは外せるものなのです。

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百歩譲って、左を向いていたボビーが突然の銃撃にあってそのまま真後ろに立っていたセザーのネクタイにすがりついて、そのままずり落ちるように倒れたとしましょう。

しかし、複数いる目撃者の中にはセザーが発砲したと証言する者も複数人いました。

セザー本人は、ホルスターから銃を抜いて右手に握っていたというところまでは認める発言をしています。

発砲については否定していますが。



事件発生当時ボビーとセザーの後ろにいたCBSのドナルド・シャルマンの証言




「(サーハンが3度撃った後)警備員(セザー)がケネディ(ボビー)を、やはり3度撃ちました。ケネディ氏は床に倒れました。・・・警備員は撃ち返しました」




このシャルマンの話は事件直後CBSのテレビ・ニュースでも放送されて、「ケネディのボディ・ガードが発砲した」と報じられました。

警備員が撃ったという証言は、他にも証人がいて、記録も残っています。



他にもセザーに関して言えば、この時所持していた銃は38口径だと主張していますが、彼がサーハンが犯行に使ったのと同じ22口径の拳銃を持っていたのは確かで、この時所持していた銃がどちらだったのかは確認されていません。

事件直後セザーは22口径の銃を事件の3ヶ月前に売ってしまっていると証言していましたが、実際は事件の3ヵ月後1968年9月8日に15ドルで売ったことが領収書の存在で確認されています。

なぜ、セザーは警察の取調べで嘘をついたのでしょうか?



現場からははっきりと旋条痕を確認出来るだけの原形をとどめた弾丸は回収できなかったので、すべてが一つの拳銃から発射されたものか、あるいは複数のピストルから発射されたものなのかは判別が出来ないままなのですが、二つだけ確かなのは、現場では少なくとも13発の弾が発射された痕が認められるのに、サーハンの所持していた拳銃は8発のみしか装てんできないリボルバー式拳銃であったということと、セザーが売った22口径のピストルは行方不明になってしまっているという二点です。



また、他にも謎なのが、セザーを犯人とする証言や、セザーが発砲したと証言する者達が不自然死を遂げたり、刺されたり、脅迫されたりしていて、車に爆弾を投げ込まれた者もいるということです。

この辺りは、JFK暗殺事件の目撃者達と同じ様な状況ですね。



ロサンゼルス警察に関しても2点、当日ホテルに警察の警備はなかったのですが、その理由としてボビーの側から警備不要との要請を受けたと説明していますが、ボビーの選挙参謀だったフランク・マンキウィッツは警察と警備に関する話し合いはしなかったし、警備不要などという要請もしなかったと主張しています。

もう1点は、事件の2ヵ月半後の8月21日に、事件現場を写した2,400枚の証拠写真を焼却、この時同時に事件現場の天井のタイルやドアを支える脇柱など弾痕の残っていた証拠もすべて破棄処分されました。

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他にも、サーハンの動機とされているないようにそもそも信憑性がないことや、サンドラ・セラーノ等の証言に出てくる、事件直前までサーハンのそばにいて事件直後に消えた水玉模様のワンピースの謎の女性の存在など、色々と謎が存在します。



その辺りはまたこの「ボビー・ケネディ考」カテゴリの中で詳しく検証していきたいと思います。



お付き合いいただけると幸いです。





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