ボンドを知らんとはモグリですな
殺しの許可証を持つ英国諜報部員007
優秀な男ですよ
私の目から見てもね
この「007/黄金銃を持つ男」の撮影は、ムーア・ボンド第一弾でもある前作「007/死ぬのは奴らだ」から1年もしない内に始まっています。
やはり、スムーズなムーア・ボンドへの引継ぎにも、安心出来なかったと言うことでしょうか?

本作の原作は、イアン・フレミング原作長編遺作で死後出版されています。

前作「007/死ぬのは奴らだ」のレビューでも触れましたが、原作者イアン・フレミングは当初、初代ボンドであるショーン・コネリーよりも、ロジャー・ムーアの方が原作ボンドのイメージ通りだと言っていましたが、いざ映像化されたコネリー・ボンドを見て気が変わったのか、本作の原作は、コネリー・ボンドのイメージで執筆したとか・・・

その映画化作品で、ロジャー・ムーアがボンドを演じるというのは、運命のイタズラでしょうか。

本作も、これまでのシリーズ同様、運河でのボートチェイスシーン、カーチェイスなどアクションシーンの見所が多いのですが、特に、香港沖に半分沈んだクイーン・エリザベス号内に作られた、情報部香港支部が非常にユニークで、内部はすべて斜めになっています。

本作には、ボンドガールが二人登場しますが、一人は、スカラマンガの愛人アンドレア・アンダース役で、第13作目「007/オクトパシー」にも、ボンドガールで出演しているモード・アダムスが演じています。

もう一人、ブリット・エクランドは、ボンドの助手である、メアリー・グッドナイト役で登場しますが、彼女はボンドの足を引っ張るためだけに存在しています^^;
原作で同じ名前のステキな秘書が登場するのですが、そちらのミス・グッドナイトはボンドが何とか落とそうと躍起になるくらいステキな女性なので、全然イメージが違っていて、原作を読んでいると(ストーリーもそうですが)あまりの違いに混乱してしまいます(^^;)
ブリット・エクランド嬢演じるグッドナイトの天然ボケっぴろは失笑ものです(^^;


また、アクションで一番の見所はAMCホーネットによる360度、つまり一回転をして川を飛び越えるカースタントシーンでしょう。

そのスタントは恐ろしいほど完璧(しかもワンテイクだそうですゾ)で凄いシーンですので、ぜひ一度は、観て下さい!

「007/黄金銃を持つ男」のストーリー:君の順番も、きっとまわってくるさ
Mの元に、007と彫られた黄金の弾丸と共に「ボンドの命をもらう」と書かれた手紙が送られてくる。
殺し屋としては最高の報酬を取るフランシスコ・スカラマンガが、ボンドを標的として狙いをつけた印だった。
Mは、ボンドに仕事を辞めて隠れるか、殺される前にスカラマンガを捕まえるよう命令する。
ボンドは、その黄金銃を持つ男といわれるスカラマンガの手がかりを探してまずベイルートに飛んだ。
ベイルートで002が撃たれた弾丸を入手し、Q課が分析をする。
弾丸の作成者であるマカオのラザーと接触したボンドは、銃弾を受け取りに来た謎の美女アンドレアを尾行して、香港へ向かう。
アンドレアからスカラマンガの手がかりを聞き出すが、手がかりとなるギブソンは、ボンドの目の前で射殺される。
殺されたギブソンは、エネルギー事情を一変させるソレックスと言う装置を開発、英国へ来る意志があったのだが、死体にその装置はなかった。
ギブソンはバンコックのハイファットの下で働いていたという情報を得て、ハイファットに接触するが、相撲の力士に襲われ、また空手の達人と対戦するが、逃走。
そうこうしている内にハイファットが、スカラマンガから射殺される。
果たしてスカラマンガを雇ったのは誰なのか?
また、ソレックスの在り処はどこになるのか?
そして何よりも、狙った獲物を逃したことが無いというっほどの殺し屋スカラマンガとの対決に、ボンドは勝利を得ることが出来るのだろうか?
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「007/黄金銃を持つ男」のサイドストーリー:試乗したいんだがな!

70年代からのこのシリーズは、作品を重ねる毎にストーリー的に必要の無い「見せ場」を数多く登場させ、返ってテンポを狂わせるという悪循環に陥っていました(残念ながらこれは、シリーズの伝統といってもいい慣習になっていきます)が、その悪循環を食い止めるべきハリー・サルツマンは、本作を最後に007シリーズを去ることになります。
ハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリ・・・。
二人のプロデューサーの意見の対立は、すでに抜き差しならぬものになっておりましたが、事ここに到ってサルツマンが破産したことにより、サルツマンは自分の持つ映画化の権利を、ユナイテッド・アーティスト社に譲り、シリーズを降ります。
(ここで、何で権利をカビーさんでなく、UA社に譲ったかなぁ〜と私は思ったものですが・・・)
一部のコアなファン達には、「これで、ピーター・ハントに続いて、シリーズの暴走に待ったをかけられる貴重な存在が消えたか」と思われていたようですが、約7年後に本当の意味での最後の希望(個人的な思いです)が、表舞台に登場することになります。

本作品でボンドの敵・スカラマンガを演じているのはドラキュラ俳優として有名なクリストファー・リーです。
彼は原作者イアン・フレミングの従兄弟で、フレミングは元々映画シリーズ第一作目「007/ドクター・ノオ」のドクター・ノオ役に彼を推していたそうです。
万年筆、ライター、シガレットケース、カフスなどを組み合わせて出来る彼の愛銃である黄金銃はとてもユニークです。

個人的には、ソレックスとかのくだりを入れるよりも、スカラマンガとボンドの対決に焦点を絞った方が傑作になったんではないかという思いがあるので、ぜひそういう方向でリメイクして欲しいと思っています。

サントラは、ジョン・バリーが復活!
相変わらず、オリエンタルなムード全開の作品となっています。
前作でのジョージ・ マーティンは、作風ともすごくマッチしていて、個人的にお気に入りですが、」やっぱり007シリーズは、バリー節が似合います。
ルルの主題歌もパンチが効いていて、これぞ007の主題歌という出来ですが、何よりも12曲目は秀逸。
これを聴いた時、この一曲だけでも、元は取った気になりました。
なぜかは、聴いて貰えれば分かります!

1. Main Title: the Man With the Golden Gun / Lulu (2:37)
2. Scaramanga's Fun House (4:39)
3. Chew Me in Grisly Land (4:02)
4. The Man With the Golden Gun (Jazz Instrumental) (2:33)
5. Getting the Bullet (2:45)
6. Goodnight Goodnight (5:24)
7. Let's Go Get 'Em (3:45)
8. Hip's Trip (3:22)
9. Kung Fu Fight (1:58)
10. In Search of Scaramanga's Fun House (2:32)
11. Return to Scaramanga's Fun House (6:29)
12. End Title: the Man With the Golden Gun / Lulu (3:05)


THE END
OF
“THE MAN WITH THE GOLDEN GUN”
BUT
JAMES BOND WILL RETURN
IN
“THE SPY WHO LOVED ME”
OF
“THE MAN WITH THE GOLDEN GUN”
BUT
JAMES BOND WILL RETURN
IN
“THE SPY WHO LOVED ME”

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