死を意識してから、
初めて人生が見えてくることもある
否応無く突然に死は訪れる
人生で大切なのは信じること
生きてさえ居ればいつでもやり直せる
どんなに最悪な人生でも
酒や薬に逃げるより目を開いて生きる方が幸せだ
死ぬ時に思うことはただ一つ
もう一度生きたい
今度こそ生きたい
SF、ファンタジー、サスペンス、ミステリ・・・色んな要素を持った映画ですが、やはり一言で言えば、ラブロマンスでしょうね。
冒頭から中盤まで、追い詰められ、拘束され、身動きもとれず、悲惨で絶望的な状況にずっと、ずぅぅ〜っと、暗く陰鬱な雰囲気のままで正直堪らなかったのですが、ちゃんと最後は祝福されています(^▽^)
そのラストシーンの暖かさには、涙が出ました(T▽T)
やっぱり、どん底まで堕ちて、それでも最後の最後に救われる、そういうドラマが好きです(^▽^)

主演は、「
戦場のピアニスト
」「
キングコング
」「
ヴィレッジ
」の
エイドリアン・ブロディ。
切ない表情に透き通った瞳が印象的でした(^▽^)
あの、立って見つめるだけで、ジャッキーに車へ乗せる気にさせた表情は見事!

ヒロインに、「
パイレーツ・オブ・カリビアン
」「
ドミノ
」「
ラブ・アクチュアリー
」の
キーラ・ナイトレイ。
クリス・クリストファーソンに、
ジェニファー・ジェーソン・リー、そして、
ダニエル・クレイグといった出演しているというだけで作品の風格が上がるような面々が、がっちり脇を固めています(^▽^)

特に、
ダニエル・クレイグ
の怪演は見逃せません。
やっぱり、彼の演技力は大したものですねぇ〜(^ー^)
髪を染め、役作りしたその風貌は中年期後半ごろの
ショーン・コネリーのそれを彷彿とさせます!

007シリーズのプロデューサーさん達は、このダニエルを見てボンド役のオファーを決めたのじゃないかしらん?
ジャケット(The Jacket)のストーリー:「私たちには、あとどれくらい残されているの?(How much time do we have?)」○1991年イラク(湾岸戦争)。「砂漠の嵐」作戦中銃撃により頭部を負傷したジャック・スタークスは奇跡的に一命を取り留めるが、後遺症で心的抑圧と逆行性健忘症(記憶障害の起こる前の事を忘れ、その後も記憶があやふやになる)を患い、除隊する。
○1992年ヴァーモント州。身寄りもなく、過去の記憶も無いジャックは、出身地であるヴァーモント州に戻り、雪の中をヒッチハイクしながらさまよっていると、故障したピックアップトラックに、酩酊して道端にへたれ込んでいるシングルマザーである母親ジーンと、その8歳の娘ジャッキーに遭遇する。
「これなあに?」
「認識票っていうんだ。ほら、ここに名前と生年月日があるだろう?」
「なんのために?」
「自分が誰か忘れたときのために」
「これ、ちょうだい」
ピックアップトラックを修理したジャックは、唯一自身のアイデンティティの証明であるドッグタグ(認識票)を、懐いてくれた素直で愛くるしいジャッキーにプレゼントして、その場を去った。
ヒッチハイクを続けるジャックは、カナダ国境に向かうと言う若い男の運転するステーションワゴンにピックアップしてもらうが、しばらくすると州警察が停車を求めてきた・・・。

場面は一転して裁判所に移り、ジャックは州警察の警官殺しで有罪となり、戦争の後遺症における心神喪失を訴える弁護側の意見が採られ、精神病院送りとなる。
ジャックが収監された病院には、人体実験に近い異常な治療を行うベッカー医師が居り、ジャックも、その「胎内に戻る治療」と呼ばれる異常な治療を受けることになる。

「胎内に戻る治療」というのは、拘束衣(ジャケット)を着せられ死体安置用の引き出しの中に閉じ込められるという実験的な矯正治療である。

薬の影響か、暗闇のせいか、湾岸戦争の時や警官が殺されたときの忌まわしい記憶の断片が脳裏をフラッシュバックし、想像を絶する恐怖に意識を失ったジャックは、いつの間にかカフェに隣接するタクシー乗り場に立っていた。
○2007年ヴァーモント州。ジャックは、そこでウエイトレスと出会う。
ジャックを不憫に思ったウエイトレスは、彼に泊まる場所を探してやろうとするが、その日はクリスマス・イヴで、どのホームレス用シェルターもいっぱいで、仕方なく自宅のカウチをジャックに貸すことにする。

話をしている内に、転寝してしまったウエイトレスに毛布をかけ、部屋を見ていたジャックは、ドッグタグを見付ける。
“
ジャック・スタークス 1964年12月25日生まれ”
そして、あの雪の日故障したピックアップトラックの母子の写真を見つける。
ウエイトレスは、あの日助けた8歳のジャッキーだったのだ。
取り乱すジャッキーは、1993年元旦にジャックは死んだと告げる。
時折フラッシュバックする映像は、果たして現実の記憶なのか?それとも幻覚なのか?!
ジャックは、なぜ死んだのか?
その死の真相は?
本当に警察官を殺害したのは自分なのか?
容赦なく迫り来る四日間というタイムリミット!
果たして救いはあるのか?個人的にツボだったのは、2007年のジャッキーの部屋に
イギー・ポップ、幼少期の家の居間に
デヴィッド・ボウイのポスターが張ってあったことです(^▽^)
そして、感動のラスト。
本編のラストにジャッキーが言った、ある台詞が挿入されます。
ジャックとジャッキーは、ジャックの死の真相探しの冒険を経て結ばれますが、残りの期日の刻一刻と迫る切ない恋です。
しかも、いつタイムスリップしてジャックが過去に戻ってしまうのか、もう一度未来に戻ってこれるのか、まったく分からない状態に、止むに止まれぬ切実な思いをジャッキーが口にします。
その台詞は、ジャックに対しての切実な質問だったのですが、それに対してジャックは「分からない」としか答えられません。
ラストで、その台詞が挿入されて、それに対する答えとして、ある曲が流れ出します。
この瞬間・・・大塚は号泣しました。
ラストシーンとエンドロールの曲によってこんなに感動させられたことは、これまでありませんでした。
本当に感動します(T▽T)
その曲が何なのかとか、どうしてそれが感動なのかは、以下↓のネタバレコーナーで(^^;)
ジャケットの感想や解読のようなもの(ネタバレです)