2014年12月01日

007/ゴールデンアイ GOLDENEYE




「『ロンドンの4月は春だが



 サンクトペテルブルクはケツまで凍る』



 これでいいか?」






「だめだ、薔薇も見せろ」






「勘弁してくれよ〜」







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前作「007/消されたライセンス」公開後、突然007シリーズは沈黙してしまいます。

「007/消されたライセンス」が不評だったことから、もうシリーズは終わった。

・・・とか、アルバート・R・ブロッコリは、シリーズを売却してしまった。

・・・とか、色々な噂が巻き起こって、私も(今新作を作ったところで、火が消えてしまうんじゃないか?)と思い始めた矢先、6年間のブランクを破って製作されたのが、この「007/ゴールデンアイ」でした。



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5代目ジェームス・ボンド=ピアース・ブロスナンの登場です!

嬉しくて胸が踊りました!

もちろん映画館に走って観に行きました!

オープニングシーンは、決して忘れられません。

もう二度と・・・と思っていた007の復活。

その幕開けのシーンは、とんでもない高さのダムからのバンジ−ジャンプでした!

そして、断崖絶壁にバイクごと落下したボンドが、これも落下中で、無人のセスナ機に、乗り込んで操縦席にもぐり込み、あわや、という時に立ち直るセスナ!

そしてオープニングタイトルへ・・・劇場の席で一人、鳥肌立てて、いつの間にか涙を流していました。





待ちに待ったピアース・ブロスナンでした。

その苦みばしった甘い(なんじゃそりゃ?)風貌、ウィットに飛んだユーモアのあるセリフ廻し、シャープで、切れの良い動き、何もかもが洗練されていて、はっきりいって、この時のブロスナンは、ボンド以外の何者でもありませんでした。

この作品を何度観返しても、そう思います。



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ティモシー・ダルトンがボンド役を襲名した時と同様、再びメインキャストが、変わりました。

マニーペニーにはサマンサ・ボンド。

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Mにはジュディ・デンチ(!女性)です。

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今回の敵はかつての同僚であり、親友であった男で、同じ00セクションメンバーだったため、ボンドのやり口をすべて知り尽くした敵となるので、ボンドはかなり苦戦します。

せっかく爆弾をセットしたのに、「Qは、元気か?」そう言ってQ特製の腕時計を扱い、タイマーを止めてしまったり、ボールペン型の手榴弾にも気付き、ボンドの手が届かない位置に離しちゃったりします。



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数あるアクションシーンの中でもサンクトペテルブルクの街でのタンクチェイスは圧巻で、戦車を操りところかまわず車を追い掛け回すシーンは痛快でなんですが、ちょっと、スパイ映画なのに派手過ぎ・・・^^;ムーア時代の作品を思い出しました。












ストーリー
 俺もお前も共に孤児だった。

 違ったのは、
 お前の両親は金持ちで登山中の事故で死んだこと。




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ソ連国内にある化学兵器工場に侵入したボンドは、パートナーである006アレック・トレヴェルヤンと共に施設爆破の任務を遂行していたが、アレックが捕らわれてしまった。


アレックは射殺されるが、爆弾のタイマーを早めたボンドによって、ソ連の基地は爆発。

ボンドは落下するセスナ飛行機を奪って脱出に成功する。




それから9年後。

ボンドは、オナトップという名の謎の美女と出会う。

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オナトップが、ロシアン・マフィアでも最強最悪と言われる犯罪組織ヤヌスの一員であることを知ったボンドは、行動を監視していたが、NATOが開発した最新型戦闘ヘリ、タイガーを強奪される。

このヘリは、電子波による干渉・無線による妨害・電磁波の放出のいずれにも対抗できる戦闘ヘリだ。



その頃、ロシア極寒の地にあるセヴェルナヤ宇宙兵器基地。

ロシア政府でも、ごく一部の者しかその存在を知らない基地で、旧ソ連の負の遺産、ゴールデンアイを管理している基地である。

(ゴールデンアイとは、米ソ冷戦時代の遺物で、核戦争等で壊滅的な打撃を受けた場合の報復的措置として利用する物で、核爆発等の衝撃波が、付近の電気機器をすべて使用不能にする事を利用したのだ)
そこへ、抜き打ち検査と言って、ロシア軍の宇宙局長官ウルモフが現れた。

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ウルモフに同行してきたオナトップが、突然機関銃を乱射し、基地内の科学者プログラマーを虐殺。

あらゆる電子機器を不能にする極秘プログラム「ゴールデンアイ」を強奪したウルモフとオナトップは、奪ってきていた最新型戦闘ヘリ・タイガーで脱出。



その頃、英国のスパイ衛星は、そのセヴェルナヤ宇宙兵器基地付近で、盗まれたタイガーヘリを発見していたため、Mは、ボンドと共に監視中だった。
すると、ゴールデンアイが発動され、基地付近がブラックアウトし、緊急出動したミグ3機も電磁波に電子機器を破壊され、墜落していた。


Mは、ボンドに詳細の調査と、ウルモフに奪われたゴールデンアイの追跡を命じる。

しかし、個人的な復讐は考えないように釘を刺す。

なぜならば、このウルモフこそ9年前の、あの任務の時、ボンドの親友である006アレック・トレヴェルヤンを殺害した張本人だったからだ。




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posted by 大塚陽一 at 16:16 | Comment(0) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007

2014年09月21日

007/私を愛したスパイ:THE SPY WHO LOVED ME






こちらのレディに、バカルディをロックで。



こちらの紳士には、ウォッカ・マティーニを

ステアでなくシェイクして。





お見事。


















シリーズ第10弾。

ロジャー・ムーアのボンド第3作目。


ボンドがロジャーに変わって、共同プロデューサーだったハリー・ザルツマンが007から離れ、前作は・・・シリーズワーストワンに挙げるファンも多い作品だったこともあり、3年のブランクを開けて公開となる本作を、シリーズ10作目のメモリアル作品としてブロッコリは、「これでダメなら」という覚悟で、007の魅力を、これでもかというほど詰め込んでいます。



まずはオープニング。

この物語の重要な所を含んでいるだけではなく、見所は“女王陛下”以来のスキーシーンです。

危機脱出を描く、ロジャー・ボンドの定番ともいえるタイプのオープニングで、今作の出来は秀逸です。



今作あたりから、しばらくの間、このオープニングシークエンスが本編中一番の見所になります。



追っ手から追い込まれ、急傾斜を絶壁まで滑り終えたボンドは、観客の心配をよそに、断崖絶壁の谷を、ハイジャンプ!


そのまま空中に落下。


音も消えたノーカットの映像の後、イギリス国旗の柄のパラシュートが開き、同時に流れるテーマ曲。



この作品のワールド・プレミアとなったロンドンのレスター・スクウェア・オデオンでは、この芸術ともいえる場面が終わった途端、満場の拍手となったそうです。


私もその場に居たかったなァ(行けても当時6歳やったけど)・・・





エジプトなど絵になるシーンが多く、夕陽のシーンや、ライトがいい感じに当たる幻想的なシーンが、他の作品に比べて、多かったように感じました。




今回は、キャラクターにも印象強いものが多く、黒幕カール・ストロンバーグは海底に王国を作ろうとしている男で、なかなか重厚な感じが出ていて◎でした。



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その手下で、一番有名な用心棒、鋼の歯で人を噛み殺すジョーズも、この作品が初登場で、シリーズ初となる二作品(次回作「007/ムーンレイカー」)に出演した用心棒となります。


何度もボンドに襲い掛かるんですが、ボンドに巨大な磁石に吊り下げられ、水面に落とされたジョーズが本物のジョーズ(サメ)と対決して噛み殺すシーン(これまでのシリーズで、黒幕からサメや、ピラニアの水槽に落とされて殺されるというパターンをあえて利用したんでしょう)が、こういった期待外しのセンス(ジョーズ初登場時も、ストロンバーグが、呼ぶと禿頭でガタイの良い屈強な男が出てくるので、観客は、「ああ、今回はこの男が用心棒なんだ」と、思わせて、ジョーズを登場《まぁ、みんな予告編観て知ってるんだけどね^^;》させるとか)は、大好きです。


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ストロンバーグの要塞やマンモス・タンカー「リパラス」もスケールがすごいです。


何しろ潜水艦が二艦もまるまる納まってしまう巨大さ加減^^;




そして、この映画の最大の見所は、やっぱりボンド・カーのロータス・エスプリでしょう!


ダイビングして海に沈んだロータスが、水中で潜水艇に変形してしまうシーンには、度肝を抜かれました。

海面から砂浜へ上がって来るロータスを観て海水浴客が、目を丸くするシーンが大好きです。


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この作品では、ロジャー・ムーアも、すっかりボンドが板についてきて、脂の乗り切ったボンドらしいボンドになっていました。


劇中、ソ連側のスパイであるトリプルXに自分の経歴を話され、その中で『結婚は一度、奥様は殺され・・・』の言葉に怒りをあらわにするボンドが、かなり嬉しかったです。





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映画「007/私を愛したスパイ」のストーリー:

 ジェームズ・ボンド中佐。

 海軍からイギリス諜報部へ移り諜報部員へ。

 殺人を許可され、事実多くの経験を持つ。

 女友達も多いが、結婚は一度だけ。奥様は殺さ・・・





原子力潜水艦が失踪した。

英国潜水艦レンジャー号、そしてソ連の原子力潜水艦ポチョムキン号だった。

英ソは、それぞれ独自に調査を開始。

2隻の航跡は最高機密だが、その航跡を追えるような仕掛けのマイクロフィルムが存在する事が分かった。

熱による潜水艦追跡システムが使用されたらしく、マイクロフィルムを見つけるべく、それぞれにNo1エージェントを派遣することとなった。



英国側は、ボンド。

ソ連側は、KGBエージェント・コードネーム「トリプルX」アニヤ・アマソワ少佐だった。

ボンドはマイクロフィルムを競売するカルバに会い、アマソワと対面するが、カルバは鉄の歯を持つ殺し屋ジョーズに殺されてしまう。

2人はスパイ戦を繰り広げながら、ジョーズを追跡。

苦戦しながらも、システムのマイクロフィルムを奪取。

その結果、MとKGBゴゴール将軍は共通の敵を持つものは、味方とばかりに今回は協力体制を取る。



Qの分析で、フィルムの書類からストロンバーグ商船のマークを発見する。

ストロンバーグは、サルジニアに海洋研究所を持つ富豪で、ボンドらはストロンバーグと対面するも、帰り道でロータス・エスプリのボンドとアマソワを刺客が襲う。

まずは、爆弾搭載のサイドカーを振り切り、ジョーズが駆る車とのカーチェイスに競り勝ったロータスを、今度は空からナオミのヘリが、絨毯爆撃で襲う。

最初は巧みに避けるボンドだが、次第に逃げ場を失い、崖から海へダイブ!

果たしてボンドとアマソワは無事助かるのか?

そして、消えた原潜2隻の行方は?

ストロンバーグの野望とは?

ボンドは、アマソワを出し抜き、英国の威信を守ることが出来るのか?









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posted by 大塚陽一 at 02:30 | Comment(0) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007

2014年09月11日

007/ゴールドフィンガー:GOLDFINGER





世の中にはルールがある。



ドンペリ53年物は3.5度以下で飲むべし。



ビートルズは耳栓をして聴くべし。









私は、007シリーズをまだ見たことがないという人に、シリーズ23作品の内から、まず最初に何を見るべきかと考えたら、迷わずこのシリーズ三作目「ゴールドフィンガー」を薦めます。



なぜかと問われると返答に困るのですが、おそらく私がはじめて見て印象に残ったのがこの作品であり、また劇中に登場する全身に金粉を塗られた美女の死体が、少年期に熱中して読んだ江戸川乱歩の探偵小説に垣間見えた淫靡な世界を髣髴とさせるからではないかと思います。



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「ゴールドフィンガー」のストーリー:
  お前の情事のために開発しているわけじゃないんだぞ、007




メキシコでの任務を終え、マイアミで束の間の休暇を楽しむボンドは、「ドクター・ノオ」の事件で協力した旧友CIAのフェリックス・ライターと再会し、Mからの伝言を受ける。




次の任務は、米国の大実業家ゴールドフィンガーに関するものだった。



ボンドは、同じホテルにいたゴールドフィンガーのいかさまポーカーを妨害し、ワザと大損させる。



いかさまトランプの手伝いをしているジルを誘惑するが、ボンドが何者かに気絶させられている間に、ジルを、全身に金を塗られて殺される。



英国に戻ったボンドは、ゴールドフィンガーが金密輸をしている証拠を暴くようにMに指令を受ける。



ボンドはゴルフでゴールドフィンガーに接触し、ナチスの金塊を餌に接近する。



ゴールドフィンガーのロールスロイスに発信器を取り付けスイスの工場まで尾行、ロールスロイスのボディを純金にして密輸していた事実を目撃する。



姉の仇をとるためジルの妹ティリーが現れるが、2人は逃走を図るが、オッドジョブの凶刃にテイリーが倒れ、ボンドも捕まってしまう。



ボンドの正体を知ったゴールドフィンガーは、ボンドを拘束し、工業用レーザーでジワジワ殺そうとする。



果たして絶体絶命のボンドに脱出の望みはあるのか?















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posted by 大塚陽一 at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007

2012年09月04日

007/消されたライセンス LICENCE TO KILL









彼は結婚したことがあるんだ。




昔ね・・・。










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この007シリーズ第16作目「消されたライセンス」は、故ダイアナ妃から一番原作のボンドにイメージが近いとお済み付をもらったティモシー・ダルトンがボンドを演じています。



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この作品では、いくつかの掟破りと、いくつかの別れがあります。





まず、掟破りから言うと、タイトルの通り、今回のボンドは、007の有名な代名詞でもある、「殺しの許可証(ライセンス)」を剥奪されるというものです。


次に、過去何回かボンドの危機を救ってきたCIAのフィリックス・ライターが、今作で7度目の登場を果たしますが、007シリーズで色々なキャラが居る中、ライター役だけは、これまで同じ役者が演じた事が無く、毎回役者が代わっていた(ダニエル・クレイグがボンド役を演じることになった007新シリーズからはライター役はジェフリー・ライトが連投している)のですが、今回は第8作目「007/死ぬのは奴らだ」で、ライター役を演じたデヴィッド・ヘディソンが演じています。(なぜか?という理由については、後ほど触れます)


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また、内容(ライターがサメに襲われるシーンや悪役が破裂死するシーン)がハードすぎて、ファミリームービーであるはずの007シリーズ前代未聞の15歳未満鑑賞禁止となりました。


そして、何よりも前作である第15作目「007/リビングデイライツ」で、元になる原作がなくなったため、本作からは、初の完全オリジナルの映画脚本となったことです。






別れについては、何と言ってもシリーズ第13作目「007/オクトパシー」から「M」役を演じてきたロバート・ブラウンと、第15作目「007/リビングデイライツ」からダルトンボンドと共に歩んできた「ミス・マニペニー」役キャロライン・ブリスが、揃って今作ですべて配役を変更されます。


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また第12作目「007/ユア・アイズ・オンリー」から連続5作品を撮ってきた監督であるジョン・グレンも、本作を最後に監督の椅子を降りました。



第1作目「007/ドクター・ノオ」から脚本を手がけてきたリチャード・メイボーム、メイン・タイトルをデザインしてきたモーリス・ビンダーが共に他界したため、本作が最後の作品となりました。



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色々な意味で感慨深い作品であります。















「007/消されたライセンス」のストーリー:


「私はイギリスの諜報部員だった。

   ああいう連中には詳しい。」


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数々の作戦を共に乗り越えてきた親友フィリックス・ライターの結婚式に共に向かう途中、「サンチェスが現れた」と、ライターの友人DEA(麻薬取締局)エージェントから援護要請の連絡を受け、ボンドとライターは現場に向かう。

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サンチェスとはDEAが長年追っている麻薬王だが、自身の鼻薬の効く人脈で固めた地元を離れ、アメリカ領内に姿を見せるというのは、千載一遇の捕獲チャンスだったのだ。

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ボンドとライターは、ヘリコプターに乗り込み、逃走するサンチェスが操縦するセスナを、フックで釣り上げ、捕捉。


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そのまま二人は、空からスカイダイビングで花嫁デラが待っている教会に降り立ち、何とか遅刻せずに済んだ。


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しかし、サンチェスは護送責任者を買収し、逃亡。


新婚初夜のライター夫妻を襲い、デラを凌辱し、殺した上で、ライターを捕らえて鮫に足を食べさせた。


ボンドは、サンチェスの逃亡を知り、ライター宅に急いだが、そこで無残なライター夫妻の姿を発見する。


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ボンドはサンチェスへの報復を誓い、個人的に捜査を始めるが上司Mがじきじきに訪米、任務を逸脱した行為に対して彼を諌め、別の任務を指示するが、ボンドはこれを断り、任務放棄、命令違反等で「殺しのライセンス(殺人許可証)」を剥奪され、拘束されそうになるが、逃亡する。




果たして孤立無援の闘いで、ボンドは親友夫婦の仇を討つことが出来るのか?


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実は、原作シリーズでもフィリックス・ライターはサメの生簀に放り込まれて手足を失うシーンがありますが、それは原作の小説「死ぬのは奴らだ」でのことです。


映画「007/死ぬのは奴らだ」で当のフィリックス・ライターを演じたデヴィッド・ヘディソンが、本作で再度この役を演じたのは、この原作エピソードとのシンクロでしょう。


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他にも原作とのシンクロ場面はたくさんあります。


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本編で、ボンドと、ボンド曰く「何度も命を救ってくれた親友」フェリックス・ライターのコンビと共に、結婚式に向かう車中一緒に黒人のシャーキーが乗っていますが、シャーキーは、映画初登場キャラクターなのに、映像を観る限り3人は、昔からの仲らしく、ボンドの復讐にも協力するのですが、これは明らかに「ドクター・ノオ」のクオレルを意識したキャラということでしょう。


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クオレルというのは、原作の「死ぬのは奴らだ」「ドクター・ノオ」の二作品に登場するキャラです。


映画シリーズでは、ジャマイカの漁師として、第一作目「007/ドクター・ノオ」に登場します。


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この時、ボンドとライターに協力し、クラブ・キーの調査をしますが、彼は、龍に扮したドラゴンの火炎放射器で死んでしまいます。


これは小説でも同様なのですが、彼は映画シリーズ第八作目「007/死ぬのは奴らだ」にあたる原作第二作目「死ぬのは奴らだ」に登場し、原作「ドクター・ノオ」にも連投するのです。


つまり、時間軸が原作と逆で「死ぬのは奴らだ」の後が「ドクター・ノオ」となるところを、映画シリーズでは第一作目ですでに死なせてしまっていたため、苦肉の策として、「007/死ぬのは奴らだ」では、クオレル・ジュニアとして再登場させることになりました。


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この時も前回同様ライターが再度出演。


共にボンドと三人で協力していました。


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さて・・・この「007/消されたライセンス」は、一般的に評価が低く、人によってはシリーズ最低作という声もあります。


ファンサイトのレビューを覗いても、ほとんどの方が、この作品をこき下ろしています。


前作「007/リビング・デイライツ」からボンドを演じるティモシー・ダルトンは、「最も原作に近いボンド」「原点に戻った」「これまでになかった人間味の深さが加わった」と批評家をはじめ、筋金入りのボンドファンからも絶賛されていたのが、「007/消されたライセンス」公開を期に、これまでの高評価が無かったかのように、評価がガタ落ちしました。


これは、いつものエピソード(Mから呼びつけられて、ボンドに任務を説明するシーンや、ボンドとマネペニーの粋な大人が楽しむ会話)が、ストーリーの進行上無くなったこと。


そして、ファンや批評家が最も重要視する裏切り行為が、(これまで、恨みがましく皮肉を言ったり、時に反抗的な態度を見せたことはあってもMに対する忠誠心は、微塵も揺らいだことは無かったにも係わらず、すべてをアメリカに任せろと言うMからの命令を無視し、退職を申し出、「殺しのライセンス」を剥奪され、あろうことか仲間の諜報員に殴りかかって逃走する)などボンドとMの関係を書き換え、これまでのシリーズが築いた歴史を踏みにじったということだそうです。


しかし、実際はMに危害を加えた訳ではなく、あの状況でMに手を出さなかったこと自体が、逆にボンドのMに対する揺ぎ無い忠誠心の発露であり、それを象徴するシーンだといえないでしょうか?


そう思ってみてみるとこれらの批評は、いささか被害妄想的なものだと感じられます。


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(愛銃の返還も迫られ、究極に追い込まれた状況にも関わらず、場所がヘミングウェー記念館だけに、「これが本当の“武器よさらば(A Farewell to Arms)”ですな」と言う台詞を吐けるティモシーのボンドは、やはりボンドらしかったです)


・・・とはいえ、批判意見の中には、「あんな個人的に復讐をするほど、ボンドは友情や情に厚い男ではない」とか、「どの作品でもプロとして任務を果たし、イギリス・女王陛下への忠誠心が揺らいだことはないのに任務を放棄し、私情に駆られるというのは、プロである007らしくない」等というものがありましたが、確かにごもっともな意見だといえます。



特に長年007シリーズを愛してきたファン心理としては、上記の感想は当然ともいえます。


では、制作側が原作がなくなったエピソードを作る際に、苦し紛れにボンドの性格を変えてしまったのでしょうか?


上映当時のアクション映画の時流(ちょうどダイハード・シリーズやリーサル・ウェポン・シリーズが流行っていました)に合わせて、これまで苦労して作り上げたボンドのヒーロー像を壊してまでも、アウトロー気味なヒーロー像にシフトしたかったのでしょうか?




いいえ、違います。




この作品で描かれるボンドこそ、それまで20年以上ボンドを映像で描き続けた制作側が満を持して放ったこれまでの集大成といってもいい作品、原作を元に制作していた世界中にファンのいるシリーズを、これから完全オリジナルの脚本を使用してリニューアルする、その節目に当たる作品として相応しい、これまでのシリーズの総決算的作品になっています!!


どういうことかという解説は・・・以下ネタバレを含みますので、本編を御鑑賞後にクリックしてください^▽^







「007/消されたライセンス」の感想や解読の様なもの: ここまで、お前にこだわる理由を知りたくないか?
posted by 大塚陽一 at 21:06 | Comment(2) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007

2009年04月19日

女王陛下の007:ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE

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007シリーズ第6作目「女王陛下の007」。

これは、二代目ジェームズ・ボンド=ジョージ・レイゼンビーが主役を張った唯一の作品であり、ボンドのシリーズ初のロマンス=結婚が描かれる唯一の作品でもあります。

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本編中盤、吹雪の中を追っ手から命からがら逃げる二人は、束の間、暖をとる馬小屋の中で将来を語り合います。



そこで、ボンドはプロポーズをし、「子供は、男の子と女の子を三人ずつ」欲しいと言うトレーシーに、ボンドは諜報部を辞め、他の職を探すと告げます。




その表情は、苦渋の決断ではなく、むしろ晴れ晴れとしていました。



それだけ、このロマンスに迷いが無かったということでしょう。

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興行的には芳しくなかったと言われていますが、そうは言っても007シリーズの他の作品と比べての話であって、営業成績の面から見れば、実際は十分成功・ヒットしたと言えます。



後述しますが現在に至るも正当な評価を与えられていないのですが、当時としては画期的とも言えるスキーアクションの充実度、巧みな編集など、現在では高く評価されている作品です。









「女王陛下の007」のストーリー:やれやれ、こんな目に合うのは初めてだ



ロワイヤル・レゾー。



初めてボンドが、テレサと出会ったのは、海。



ひょんな事から海に入水自殺しようとする女性を救うが、それが未来の花嫁テレサだった。

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出会いも束の間、謎の暴漢と戦っている間にテレサは消えてしまう。



次の再会はカジノ・ロワイヤル(!)にて。

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持ち合わせが無いにもかかわらず、大きな賭けに負けたテレサの支払いを肩代わりして、「あなたは、誰かを助けるのが趣味なの?」とテレサに皮肉られるボンド。



「人助けがクセなのさ、テレサ」

「トレーシーよ」

「君は無鉄砲すぎる」

「命に未練は無いの」

「今夜は、死なないでくれ」



そして、一夜を共にするボンド。

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ここまでは、これまでと同じ一時のロマンスのつもりだったに違いない。



その後、欧州最大の犯罪組織ユニオン・コルスのボス=ドラコに拉致されるボンド。

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トレーシーはドラコの娘で、付きまとっていた暴漢達もドラコの子分だったのだ。

ボンドが、世界最大の犯罪組織スペクターのボスであるブロフェルドを追っている事を知るドラコは、ブロフェルドに関する情報提供を条件に、「国際的不良」である娘トレーシーとの結婚を迫る。

「独身貴族のままがいい」というボンドだったが、ドラコの誕生パーティで、再会するボンドとトレーシー。

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勘の良いトレーシーは、自分をネタにした取り引きに気付き、激怒。

父親ドラコにボンドの欲しがる情報を今すぐボンドに話すよう迫り、話させてしまう。

「これでもう私に構う必要は無いでしょ」と席を立つトレーシー。

追いかけるボンド。



佇むトレーシーを振り返らせると、なんと涙を流していた。

トレーシーの涙を拭いてやり、思わず抱き寄せるボンド。


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木漏れ日の中

優しい柳の枝が生い茂る中を馬に揺られ語り合う二人

タキシードとドレスで広大な邸宅の庭園を散策

何かを熱心に語るボンド

噴水に腰掛け、それを嬉しそうに聴くトレーシー

スイスの街でショッピング

海岸を駆ける二人

捕まえたトレーシーに唇を近づけていく

トレーシーが自らのドレスでボンド共々包み込んで燃えるようなキス

あれほど死に急いでいたトレーシーが、将来の希望に目を輝かせていた。



バックで流れるルイ・アーム・ストロングの「We Have All The Time In The World(愛はすべてを越えて)」のバラードに併せて、ボンドとトレーシーが、徐々に愛情を育んでいく様が丁寧に、そして美しく描かれていく。


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この時、正に「We Have All The Time In The World(何もかもすべては二人のもの)」だった。



果たしてボンドは、ブロフェルドの野望を砕き、トレーシーと結ばれることができるのか?


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posted by 大塚陽一 at 23:06 | Comment(2) | TrackBack(0) |   ・ジェームズ・ボンド007
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